Discography 2022
2023
Electronic Instrumental
「白と黒」「真夜中の革命」は、12年の休止期間を経てリリースされたエレクトロニック・インストゥルメンタル作品。バンド期のサウンドから離れ、表現手法を再構築した本作では、テーマとストーリーを軸に、反復と展開の組み合わせによる構成が取られており、在黙としての新たな表現へとつながっている。「白と黒」は、善と悪をテーマに、人間の内面の変化を描いた作品。善を象徴する「白日」から始まり、現在と過去を行き来しながら、幾多の揺らぎを経て「悪人」へと至る起承転結の構成となっている。「真夜中の革命」は、夜をテーマにした作品。高揚と加速を伴う「真夜中の革命」、深い酩酊と停滞感を描く「灰色に染まる」、都市の熱と人間の生を重ねた「陽炎」の3曲は、夜の異なる局面を切り取ることで、一つの感覚的な連なりを形作っている。
Discography 2004
2009
Rock / Alternative Rock / Indie Rock
「瓦礫の中の夕陽」「Light of Mind」は、バンド期にリリースされた作品。「エモーショナルロック」という言葉が飛び交った時代、マスロックやポストロック、エモの影響を避けて通ることはできず、その要素が楽曲の節々に表れている。「瓦礫の中の夕陽」は、異なるタイプの2曲を収録。構成や展開に実験的な手法を取り入れた「瓦礫の中の夕陽」、他ジャンルの音楽要素を織り込み、軽快に仕上げた「stardust」。どちらも自身の内面の脆さと向き合いながら、前進しようとする様を描いている。「Light of Mind」は、より深い精神的な領域へと踏み込んだ作品。闇の中の一条の光を希望に見立て、彷徨い果てた先の答えは「最果ての地で」に帰結する構成となっている。より激しく、より鋭く、より攻撃的に、強度を増した楽曲が揃った渾身の一作。
「在黙」「real」は、活動初期にリリースされたソロ作品。90年代オルタナティブ・ロックの激しい潮流の中で形成された表現は、荒いギターサウンドと情緒性を併せ持ち、以降の在黙の表現を形作る根幹として、その原型が垣間見える。「在黙」は、オルタナティブ・ロックの影響が色濃く映し出された作品。拙さや荒さを内包しながらも、終末の世界観をテーマにした内省的な表現は、原点となる「世紀末に向けて書いた手紙」をはじめとした、動・静・激という性格の異なる3曲で構成されている。「real」は、ストレートでありながら、実験的な試みを併せ持った、初期衝動の強い作品。「都会に潜む退廃と繁栄」をテーマにしつつも、より開放的に外へと向かうエネルギーに満ちている。「Green」と「廻る空」は、ライブにおける定番曲。
About
在黙は兼清統央(Norio Kanekiyo)によるソロプロジェクト。2022年以降、エレクトロニック・インストゥルメンタルを中心とした作品を発表。由来は「只、黙って此処に在る」。活動初期はソロでありながら、ロック/オルタナを軸としたバンドサウンドの作品を展開。楽曲制作からアートワークまでトータルに手掛けたシングル「在黙」、ミニアルバム「real」をリリース後、4人編成のバンド形態となり下北沢を中心に活動。エモーショナルなサウンドを武器にライブを重ねてきたが、2010年にバンド形態としての活動を終了した。その後、12年の休止期間を経て、2022年11月に13年ぶりの新作「白と黒」をリリース。情緒性のある在黙のトーンを芯に据えつつ、表現手法を再定義した本作は、インストゥルメンタル、エレクトロニック、ロックの要素で構成されたサウンドへと大きく変化した。2023年9月には、ダンスミュージックの要素をより強く打ち出したシングル「真夜中の革命」をリリース。